子どもたちにもっとスマイルを!〜子どもの社会問題に取り組む〜

子どもの貧困、虐待を減らし、子どもたちの笑顔を増やしたい。そのために何ができるか模索中。社会に必要とされる1人の人間になるため日々邁進!

子どもの貧困と虐待について

おはようございます。

今日は夜勤明けの休日。

朝から布団を干して、掃除機をかけて大好きなチーズのパンを食べて幸せです。

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photo by kern.justin

 

3月12日大阪府社会福祉会館で行われた、Child Abuse研究会による『子どもの貧困と虐待について』という講演会に行ってきました。

目的は、NPO法人 大阪子どもの貧困アクショングループの代表である徳丸ゆき子さんのお話。

大阪子どもの貧困アクショングループがどのような活動をしているのかはHPで拝見させていただいていたが、やはり直接話を聞きたいと思い参加しました。

 

他にも大阪府堺市大阪市児童相談所の方の児童虐待や一時保護についての話もありましたが、主に大阪子どもの貧困アクショングループのことを書きたいと思います。

 

cpao0524.org

大阪子どもの貧困アクショングループの代表、徳丸さんはとてもユニークでシャキシャキしている印象。根拠をはっきりと示し、わかりやすく話をしてくださいました。

子ども時代は不登校を経験されたり、しんどい思いをされていたそうです。

そして現在は大阪子どもの貧困アクショングループの代表であり、シングルマザー。

 

大阪子どもの貧困アクショングループは大阪市西区2児放置死事件、北区母子変死事件を受け、「悲劇を繰り返したくない!」と子ども支援関係者を中心に有志が集まり団体を立ち上げるに至ったそうです。

激しい母親バッシングのあった大阪市西区2児放置死事件の母は23歳。3歳、1歳の子どもを抱えた若い23歳の母親は風俗関係の仕事をしていた。

ニュースでは「なぜ?」が多かったが、「日本の社会は今そんなことが当たり前の現実なんだよ!」という感じですね。

23歳で3歳、1歳の母が仕事できるところは限られます。しかも好条件なわけがない。

 

母親だけが悪いのでしょうか?

親戚は何をしていたのでしょうか?

それとも親戚から逃げないといけないような理由があったのでしょうか?

そしてバッシング対象にならない父親は何をしているのか?責任は?養育費は?・・

 

いつも思うのが、これが21歳の父、3歳、1歳の父子家庭で起きた場合はもちろん父はバッシングを受けますが、確実に母親もバッシングを受けます。(しかも逆の場合よりもひどい!)

厚木市で起きた放置死事件もそうです。

DVも虐待も加害者は父です。

なのに非難されると同時に「父親だから何もわからなかったのかな?家事はできたのか?」と同情の声が上がってきそう・・・

逆に

「母親は何をしていたのか?」

「DVで逃げるときになぜ子どもを連れて行かなかったのか」・・・ニュースで言っていました。裁判の様子も放送されていました。

 

この子育て=母親の責任であるという認識に嫌悪感しかない私です。

離婚して養育費を払わない父親が8割だというのに。こちらのほうがよっぽど無責任だと思います。

 

話が脱線しました。戻します。

 

徳丸さんの自己紹介に続き、国の動きや社会的背景のお話がありました。

・2009年は国が相対的貧困率(15.7%)を出し、子どもの貧困元年と言われている。

・2012年には相対的貧困率が16.3%となる。

・2014年1月 子どもの貧困対策基本法が施行される

 この法律にには、5年間でSSWを1万人増やすという具体的な目標が書かれている一方、生活支援については具体的な支援策は書かれていない。徳丸さんはその「生活支援という福祉的観点で今の生活を支えることが必要」とおっしゃっていました。

 

私も同感です。

確かにSSWを増やすことは学校と地域をつなぐ、支援につなげるという点では大切な役割を担っているので、大切なこと・必要なことだと思います。

しかし、「助けてほしい」と言ってもいいんだという考えがないと、こぼれ落ちてしまう子どもたちがいます。身なり等で支援者側がキャッチすることが可能な子はまだいいです。非行で外に出る方がマシです。

でも引きこもりや不登校の「助けて」と自ら言えない子どもたちを支援へひっぱりこむのはとても難しい一方より必要だと言えるでしょう。

 

大阪子どもの貧困アクショングループの活動

・目的:子どもの貧困をなくすこと。見えにくい子どもの貧困を明らかにするために子どもや家庭の生活を調査し、子ども・親・周りの大人をサポート。

・短期・中期・長期の視点を持ち、その中で事業や活動を展開。

 短期:緊急介入(調査、夜回り、相談支援、ごはん会、イベント・・)

 中期:モデル事業「養育の社会化」月1お父さん

 長期:政策提言(例えば、2015年7月子どもの貧困対策 政策パッケージに関する提言をあずのばと提言)

 

活動の時の話で民間ならではの大切かつ重要な支援だと感じたのは、

「ほぐす」という支援。

「まずはごはん!」という入り口から、少しずつ関係作りを行い、やっと困っている親・子どもたちがいろいろ語れるようになるその語りから得た情報を元に必要な支援につなげる。

ただ、そのような支援につながることに抵抗を示す人もいます。それはただのわがままではなく「恥ずかしい」という気持ちがブレーキをかけるため。

そんな人たちに説得もするそうです。

 

この説得。私はとても大切だと思っています。

「人に迷惑をかけてはだめ」

と小さい頃から叩き込まれて育ってきましたよね?

しかもそんなことをすると「家族の恥」だという意識が日本は強いのではないのでしょうか?

「自己責任」という意識も強い。

でも、周りに迷惑をかけない人なんてちょっと怖いわ。笑

みんな何かしら手伝ってもらって、迷惑をかけて必死に生きている。

特に子育て中の家族は。

 

市役所などの行政も必要な支援については当事者へ説得して受けるように話をします。

でもどうしても行政の言葉なので、当事者に響かないこともしばしば。

「あんたに何がわかるの?わかったような言い方してほしくない」とか

「行政も本当は受けてほしくないのに、仕事だからって仕方なく言ってるんじゃないの?」とか

思ってしまうのではないかな?と思います。

だから、ごく身近に関わる支援者・仲間が説得する力は行政の言葉よりも何倍もあるんだと思います。

「これまでの私たちを見てくれている」という安心感

「見捨てないで一緒に考えてくれている」という信頼感

そんな気持ちの基盤を周りに作ってもらう中で「私も支援を受けていいんだ」と当事者自身が思える。

これが本当に大切だと思います。

「子どもも親も困った時には助けてと言ってもいいんだよ」

というのはそれを受け止められる環境があってこそです。

大阪子どもの貧困アクショングループはそれを受け止められる場所も作っているんですね!

 

子どもの貧困と虐待について

・この2つの事柄が密接に絡み合っていることが調査の結果出ている。

大阪子どもの貧困アクショングループが実施したシングルマザー100人の調査結果として、9割が暴力の話が出る(子どもの頃の虐待、DVなど)。DVは7割。

・調査報告書が完売で買えず、詳細はわかりません。

 

最後に

講演の内容と、自分の考えたことを羅列した内容になってしまいましたが、

講演会に行くことができて良かったです。

社会的な背景について知っているつもりでも知らないことってたくさんあるし、

自分の仕事が何につながっているのかも改めて知る機会になりました。

今は目の前の仕事を頑張って、目の前の子どもたちに必要な支援をしていきたいと思います。

将来的にはグレーゾーンでもがいている子どもたちがレッドゾーンに落ちてしまわないような支援をしていきたいと思います。

 

では、今日はこの辺で。

 

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photo by ritcheyer